神事相撲、努力の果てのトロフィー
神事相撲、努力の果てのトロフィー
古来、相撲は神事として行われており、その歴史は古く古墳時代にまで遡るとされ、更に言えば日本神話の
中にも描かれているほどです。
その長い伝統性から、皇室との縁も深く、古代では命を賭けて戦い勝利した方には土地と名誉を与えられる
といった熾烈な歴史背景がある他、現代の柔道にも古来の相撲の技術が基となっているとも言われています。
また、四股にはその力強い踏み付けで悪霊を踏み潰すという意味合いも込められており、その鍛え抜かれた
強靭な足腰から繰り出される突進や、その勢いからなる張り手、押し出しは想像を絶するものである事は想像に
難くありません。
現代に於ける稽古であっても、その内容は厳しく過酷なものであり、その威力故に生じる衝撃や転倒に際して
の怪我を防止する目的も兼ねた股関節などの柔軟性や踏み込みや技の威力を増すために不可欠な足の筋力
の強化や腰周りの筋肉や腹筋の強化、そしてそれらを十分に攻撃の際に発揮するための筋肉の締め方や
勢いや威力を途中で失わせず、完全に相手にぶつけるための体勢などを確実に体に叩き込むといった鍛錬を
ひたすらに積み重ね、ぶつかり稽古等を重ねて実力をつけて行くといった過酷な練習を日々、力士達は行ってい
ます。
そうして実力を付けていった力士達がやがて試合を行い、優勝という栄誉を手にした力士だけがトロフィーという
栄冠の証を手にすることが出来ます。
日本の武道には相撲を含め、剣術や柔術、空手といった数多くの武道が存在しますが、そのどれもが
足腰を重視した動きを主としています。
これこそ日本人が古来からここぞという時の力の出し方や、より力強い威力を引き出す為に
重要なのは足腰だということを知っていたからだと言えるでしょう。
また、武道に携わる人でなくとも日本人は古来から足腰が強いと言われており、その関係性は確か
とは言えませんが生活に於ける風習か、武以外の芸事に於いてもやはり足腰の重要性を主としている
ものが多い事が、少なからず影響していると言えるでしょう。
各団体が開催する試合に於ける優勝の証であるトロフィーはその大きさなどは団体によって様々ですが、
国技館クラスで開催される大舞台では、その大きさ、輝き共に圧巻と言えます。
しかしそれは、そこまでの苦難に満ち多くの辛酸を味わってきた力士がようやく実を結び、報われたからこそ
の栄誉の証といえるトロフィーであることは語らずともその様が証明していると言えるでしょう。